2010年11月22日

きずな11(修正)

 安らぎという感情を覚えたのはブルマを抱いた時だった。
 愛しげに自分を見つめる瞳、甘い唇……
 
 壊すような抱きかたでなく、そっと壊れないように抱いた。自分の腕の中のブルマが大切だった。

 そんな感情を持ったのは多分はじめてだった。

 心配げに見つめるブルマにベジータは優しい口づけを落とした。その口づけでブルマは安心したように笑った。

 人を安心させるなど……
 自分にこんな感情をあるなんて考えもしなかった。

 ベジータは雪が吹き荒れる外を見ていた。
 トランクスはベッドで休んでるはずだった。

 疲れてるはずなのに眠れなかった。

 精神と時の部屋に入り11カ月が過ぎていた。
(限界まで強くなった。自分に敵う奴はいないだろう。いるとすればカカロットくらいだな)
 ベジータは気を高めると建物の外に出た。そして超サイヤ人化すると気を放った。氷山が崩れ、気を放ったところだけきれいな道ができた。


「さあ、トランクス。行くわよ!」
 助手席にベビーシートを設置し、赤ちゃんのトランクスを乗せるとブルマはジェットフライヤ―のパネルを操作し始めた。
「目的地はカメハウスね」

 数分前、カメハウスに電話をすると緊急停止装置のリモートコントローラーを持ってくるようにクリリンに頼まれた。ずっと研究室篭りだったので気晴らしになるとトランクスを連れて向かうことにしたのだ。
(ベジータと大きくなったトランクスにも会えるかもしれないわ)
 そんな期待もして、ブルマはジェットフライヤーのエンジンをスタートさせた。
「父さん、そろそろ部屋を出よう。みんなが待ってるはずだ」
 トランクスは超サイヤ人から普通の状態に戻るとそう言った。
「まだだ。まだ時間はある。お前はそんなもので満足なのか?」
 べジータは金色の髪に青い目のままの姿で皮肉げに答えた。
 精神と時の部屋に入って1年になろうとしていた。
 トランクスは外の世界が心配になり、一刻も早く部屋を出たかった。べジータには言えないが自分の力に自信があった。
(セルにも人造人間にも勝てる、父さんを超える力を得た)

 べジータは静かにトランクスを見ていた。
(パワーに気づいたようだな。しかしパワーは強さではない。まだまだガキだな。パワーと強さは違う)
 べジータは皮肉な笑みを浮かべる構えを取った。
「トランクス。まだだ。かっかってこい」
 べジータの言葉にトランクスは小さく息を吐くと超サイヤ人化した。


「トランクス!お父さんと大きくなったあんたに会えるわよ」
 猛スピードで飛ばすジェットフライヤーの中でブルマは嬉しそうに赤ちゃんトランクスに話しかけた。通常怖がりそうなものだが、揺れる機内の中でトランクスは楽しそうにしていた。
 緊急停止装置のリモートコントローラーをクリリンに渡してから、ベジータ達が神様の神殿の中の部屋で修行していることを聞いた。そこに目覚めた悟空もいるようだった。
「さあ、上に上がるわよ!」
 ブルマはさらに機体を上空に上げるため、レバーを引いた。機体が垂直になる。トランクスは一瞬目を見開いたが楽しそうに笑った。
 ジェットフライヤーは神様の神殿に向かって飛んでいた。
 機内のブルマは満面の笑顔を湛えている。
 久々にベジータに会えるのが嬉しかった。



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posted by ありま at 12:00| DB 2次小説 人造人間編ーセル編A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

きずな10

 トランクスの瞳から焦燥感が消え、変わりに妙な感情……親しみという感情が見て取れるようになった。そして最近はこちらを伺ってるような視線を感じるようになった。
(まったく、ブルマといい、トランクスといい、面倒な奴らだ)
 べジータは戦闘のこと、強くなること、どうやって敵を殲滅するかなどを常に考えてすごしていた。
 10ヵ月ほどトランクスと一緒に過ごし、ナッパやラデッツらサイヤ人と共に惑星を回っていたころを思い出すようになっていた。
(あの頃でさえ、不可解な感情をもった奴らに会うことはなかった。奴らが考えることはどうやって敵を殺すか、女いればどうやって犯るかそういうことだけだった。地球人という生き物は不思議で、馬鹿な生き物だ。
 あの女……ブルマに会って、ガキができた。ガキができるなんて考えてもみなかった。俺の血を受け継ぐもの……)
 べジータは乾パンをかじりながらトランクスを見た。
 髪がかなり伸び前髪が、邪魔そうに伏せた顔を覆っている。後ろ髪は結ばれ肩に掛かることはなかった。
(本当にブルマと同じ髪だ。俺やカカロットのように一定の形を保つわけでなく、常に不気味に変化する髪の毛……)
 べジータは自分の手を見つめた。
(柔らかなブルマの髪の感触をまだ覚えている。そしてあの青い、この地球を同じ青い色の瞳……)
 ふとトランクスと視線が合わさった。
「父さん?何か?」
 部屋に入ったころよりも幾分緊張の解けた話し方をするようになったトランクスがべジータにそう尋ねた。
べジータは視線をそらすと、立ち上がった。
 トランクスはそんなべジータの様子に慣れてきていた。黙って何かを考えていることが多いようだった。
(よくしゃべる母さんとは対照的だな)
 でもべジータがブルマの問いにはきちんと答えることが多いことをトランクスは気づいていた。
(父さんにとってやっぱり母さんは特別みたいだ)
 トランクスは聞いてみたかった。
 べジータとブルマがなぜそういう関係になったのか。
 トランクスはそういうことに疎いとは言え、子供の作り方などは知っていた。
 クールな父とオープンな母がそういう関係になったことがトランクスにとっては疑問だった。
(でも父さんはきっと答えてくれないだろうな。聞けば下手すれば殺されるかもしれないな)
 トランクスはふとそう思って笑った。
「何だ?」
 外の吹雪を見ていたべジータはトランクスの笑みに気づき、訝しげに見た。
「何でも。父さん、そろそろ修行を再開しよう」
 トランクスの言葉にべジータは何も言わずゆっくりと建物の外に歩いていった。


「くっしゅん」
「ブルマさん、寒いですか?」
 会社の研究室にいた技術者が顔をこちらにむけてそう聞いてきた。
(誰かが私の噂をしてるわね。トランクスかしら?それともベジータ?ベジータのわけないわね)
 ブルマは自分の考えに苦笑した。
「大丈夫、寒くないわ」
 そして技術者に笑顔でそう答えると椅子から腰を上げた。
 緊急停止装置のリモートコントローラーは完成した。
(あとはみんながいるはずのカメハウスに連絡するだけだわ)

「色々ありがとう。私は家に戻るわ」
「どういたしまして」
 技術者は設計図と緊急停止装置を抱えたブルマに微笑んだ。彼にとってブルマは憧れの存在だった。世界一の科学力をほこるカプセルコーポレーションの次期後継者で美しいブルマ。
 会うまでは単なる美しい人だと思っていたが、戦闘服や緊急停止装置のリモートコントローラーの設計図などを見て、その天才ぶりにも感嘆していた。
「じゃ、またね」
 ぼーと自分を見つめている技術者にブルマはそう言うと部屋を後にした。
(私の魅力もまだまだ捨てたもんじゃないわね)
 自分を目が会うたびに赤くなった技術者の顔を思い出し、ブルマはほくそ笑んだ。




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posted by ありま at 11:30| DB 2次小説 人造人間編ーセル編A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月21日

きずな 作者のつぶやき5

旦那の白目を背に更新してるありま氷炎です。

あーはまりすぎです。

あと2話くらいで終了予定です。

今夜は多分旦那に怒らそうなので更新しません。
明日はがんばります。

ありま氷炎 拝


WEB拍手およびメッセありがとうございます!
以下拍手のお礼です。

>melon☆panna様
温かいコメントありがとうございます。
本当はもっと独創的な話にしたかったですが…
ベジブルっていうかベジ親子の話になってます。
オリジナルのほうは本当放置でいいですよ。やけに長いし、ベジブル仲間ですので
やはりこっちを読んでいただけるだけで幸せです。
それでは。
週末を乗り切りましょう!



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posted by ありま at 15:27| DB 2次小説 人造人間編ーセル編A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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