2010年06月23日

永遠の片思い19 修正版

(誰かいやがるのか?)
 べジータが重力室へ戻るとドアが開けっぱなしになっていた。しかし中から気はまったく感じられない。
 不審に思い警戒して中に入ると壁のそばでブルマがすやすやと 気持ちよさそうに寝ているのが見えた。

「ちっ」
 べジータは忌々しげに舌うちをした。
「ブルマか」
 地球人のことは孫悟空を筆頭にうっとしくてベジータは嫌っていたが、特にブルマのことは大嫌いだった。(この女は俺の感情を逆なでにし、調子を狂わす)
「おい、ブルマ!おい」
 仕方なく呼ぶようになった女の名前を呼ぶ。しかしブルマは熟睡してるようで起きる気配がなかった。
「ちっ」
 べジータは仕方なくブルマのそばに近寄る。すると、その手に戦闘服が握られてるのが見えた。

「完成したのか」
(ふん、なかなかやるな。重力室を完成したことと言え、下品だか頭はいいようだな。しかし、こいつと話すのは時間の無駄だし、うるさい。戦闘服だけもらっておくか)

 べジータは戦闘服をブルマの手から取るため、ブルマのそばに腰を下ろした。手を戦闘服へ伸ばす。

「べジータ」
 ふとべジータは名前を呼ばれてはっとブルマの顔を見つめた。
「起きたのか?」
 ブルマはべジータの問いに答えることはなく、ただ口元に柔らかい笑みを浮かべただけだった。

 しかし、べジータはその微笑みに心を奪われた。

 いつもの挑戦的な青い瞳が隠れてるため、その笑顔はとても優しかった。ブルマの白い肌がドアから差し込む太陽の光に照らされ黄金に輝いてる。静かに眠るブルマの姿は光り輝く石造のようで恐ろしくきれいだった。

 べジータは戦闘服を掴もうとしていた手でブルマの頬をなでた。そしてそのままブルマの形のよい唇に触れた。

 そのつややかな唇はまるで誘っているようだった。
 ごく自然にべジータはその唇に自分の唇を重ねようとした。

 が、その瞬間、べジータは我に返り、ブルマに背を向けて立ち上がった。

(何をしようしてたんだ。俺は……。地球に暮らし始めてから、俺はおかしくなってるようだ。俺は戦うためだけに生きてる。こんな馬鹿な感情など必要ない)

「ちっ」
 べジータは舌打ちをすると足早に重力室を出て、空に向かって飛び上がった。

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2010年06月22日

永遠の片思い18

 ブルマは研修室に戻るとパソコンを再起動し、作業を始めた。
(問題は伸縮性のみ。強度は問題ないわ)
 ブルマは数時間の間パソコンにデータを入力し続けてあらゆる可能性を試した。
「できたわ!」
 そしてついて材料をすべて地球上のもので解析した。
「これで、完璧のはずだわ!」
(あとはこのデータを入力し、作るだけね。よかった〜。明日中にできるとは言ったものの自信がなかったのよね。実は。。完成させることができなかったら、あいつは絶対に嫌味を言うわね。しかも変な誤解を解けないままだわ)

「俺に気があるのか?だって」

ブルマは思わず声に出して言った。

(そんなことあるわけないわよ。このブルマ様に限って勝ち目のない恋愛はありえない。あんな奴を好きになったって、悲しい思いをするだけだもの。その点、ヤムチャは浮気はされたけど、愛されていたわよね。
選択やっぱり間違ったかしら。でもあのとき、べジータの顔が浮かんだのよ)

 ブルマは鉛筆を口にくわえ、天井を見上げた。
(くやしいけど、やっぱりそうなの?!)

 しかしその瞬間べジータの勝ち誇った顔が浮かび、ブルマは首を振った。
(そんなわけないわ!)

「さてと、早く仕上げてしまいましょ」
 ブルマはデータ入力を開始した。

 空がそろそろ朝を迎えようしており、黒色から青色に変わっていた。


 数時間後、ブルマは完成した新しい戦闘服を見てうっとりしていた。

「やっぱり、私って地球一かわいくて、天才だわ!」
 サイズも前の戦闘服を同じにしたから大丈夫のはず。

「さてっと、待ってなさいよ。べジータ!」
 ブルマは出来立ての戦闘服を乱暴に抱えると風のように研究室を飛び出した。

「あれ。早いな。ブルマ」
と研究室の入り口でブリーフ博士が声を掛けたが、ブルマには聞こえてなかった。

「いないわ!」
 重力室はもぬけのからだった。
「ご飯でも食べにいってるのかしら?」
 ブルマはそう言い、重力室の壁にもたれかかった。疲れがどっと出てきたようだ。

「あーあ、せっかく一番に見せようと思ったのに」
 ブルマは壁に寄りかかったまま、腰を下ろした。
(しょうがないわね。ここで待つことにしよう。移動するのも疲れちゃったし。ここには絶対に来るはずだし)
 そうして、しばらくブルマはボーっと座った待っていたが、昨晩の徹夜の疲れが出てきて、眠くなってきた。
(もう。いい、疲れた。寝ちゃおう)
 ブルマはそのまま床に倒れて、寝てしまった。しかし腕にはしっかり新しい戦闘服を抱えていた。

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永遠の片思い17

「だめだわ。何かが足りない!」
 ブルマはそうつぶやくと机の上に足を置き、天井を見上げた。
 机の上のコンピュータは赤く点滅してる。
 腕時計を見ると時間はすでに深夜0時近く。
(お父さん、きっともう寝てるわね。聞くわけにいかないわ)
 ブルマは深くため息をついた。ゴムの配合は完璧なはずなのだか、伸縮性が足りないのだ。

「何が足りないのかしら」
 ブルマは鉛筆をくるくる手のひらで回してつぶやいた。
 ふと研究室の窓をみると重力室が暗く、静かだった。
(めずらしい。べジータもたまには休憩かしら?それにしては外に出た感じじゃなかったけど)
 通常べジータは重力室のライトを常にをつけており、明かりが消えることはなかった。それは食事に出るときも一緒だった。
(そうだ。久々に重力室のメンテでもしようかしら。きっとべジータの奴、乱暴に使ってるだろうから)
 ブルマはそう思いつくと勢いよく足を机の上から降ろして研究室の外にでた。

 外の空気はひやっとしており、ブルマの肌を刺激した。
 しかしその刺激がブルマには心地よかった。

 重力室にたどりつくと、ブルマはドアを開けた。生ぬるい空気が排出される。

(べジータの奴、換気をしてないわね。しばらくドアを開けておきましょ)

 ブルマはそうして、中に足を踏みいれた。
 すると同時に重力室のオレンジ色の明かりがつく。

「え、べジータ?!」
 べジータが部屋の一角で倒れているのが見えた。あわてて駆け寄るがべジータは規則正しい寝息をたてていた。
「なんだ、寝てるのね」
 ほっとしてブルマはその場に座り込んだ。

 オレンジ色の光の中でもべジータの体にはたくさんの傷があるのが見えた。

 ブルマは重力室の壁から救急箱をとり、塗り薬を取るとやさしく癒すように薬を塗り始めた。

(大きな傷はないわね。それにしても、私もなんなのよ。べジータの倒れている姿を見ただけで動揺するなんて。おかしいわ)

「よし、これでよし」
 とりあえず目に見える傷だけを手当して、ブルマは救急箱を元に戻した。

「カカロット……」
 べジータの顔が苦痛にゆがみ、その口からかすれた声がでた。
(また孫くんの夢をみてるのね)

 ブルマはその苦しみが少しでも和らぐようにとべジータの顔に優しく手を置いた。

(そういえば、重力室の大爆発の時、私イタズラでキスしたんだっけ) 

 そう思い出して、ブルマはべジータの唇に触れた。

(私のキスで眠れる王子様は起きるかしら?)

 ふとおかしな考えが浮かんだが、ブルマはそのまま本能に突き動かされるようにべジータの唇に自分の唇を重ねようとした。

 が、その瞬間。べジータの目が開いた。

 一瞬二人の目が重なりあう、しかし次の瞬間ブルマは慌ててべジータから離れた。

「地球の女というのはみんなそうなのか?下品な趣味だな」
 べジータは少し赤くなりながらも、皮肉な言葉を紡いだ。
「そ、そんなんじゃないわよ!顔がちょっと汚れてたから拭いてあげようとして……」
 ブルマは慌てて反論したが説得力がなかった。
「貴様、俺が以前怪我を負って寝てるときも同じことをしただろう?俺に気があるのか?」
「お、起きてたの?!」
 ブルマは顔を真っ赤にして叫んだ。
「当たり前だ。あんなことされて寝てる奴がいるか」
「じゃあ、何で寝てる振りしたのよ!まさか、あんた、キスされたの初めてだったから寝てる振りしたの?」
「き、貴様、馬鹿にしてるのか。この俺様がそんなわけがないだろう」
 べジータは顔を赤くして叫んだ。
「本当かしら?だったらなんで寝てる振りしてたのよ?」
 ブルマは鬼の首を取ったように勝ち誇った笑みをうかべて言った。
「フン、くだらん。貴様のような下品な女と話しても時間の無駄だ」
 べジータはそう言って、ブルマに背を向けて外のほうへ歩き出した。
「待って、逃げる気?」
 ブルマはその背中にそう問いかけた。するとべジータは先ほどの動揺した顔からいつもの少し怒った顔
をブルマに向けて言った。
「貴様こそ、戦闘服が間に合わないから、そんなくだらないことで俺から妥協策を得ようとしてるんだろう」
「失礼ね。そんな卑怯な真似はしないわよ。戦闘服ならほぼ完成してるわ」
「ほお。じゃあ。明日にはご披露いただけるわけか」
 べジータは振り返り腕を組み、嫌味な笑みを浮かべた。
「当然よ。この私を誰だと思ってるのよ。」
「楽しみにしてるぞ。ブルマ」
 べジータはそう言うと、重力室を出た行った。
(まずい、墓穴をほった……)
 ブルマ重力室から慌てて出ると、研究室へ向かった。




posted by ありま at 02:15| DB 2次小説 人造人間編前@ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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