2014年02月13日

恋・愛を知るナメック星人

「神様。見つけたぞ」

 ピッコロとデンデがのんびり水を飲んでいると、ミスターポポが分厚い本を持って現れた。

「見つかったんですね。ありがとうございます」

 神様になっても、その性格は変わらない。小さくて可愛いい神様は、お辞儀をするとテクテクと歩いていき、分厚い本を受け取る。そしてそれをテーブルの上に置いた。ピッコロは興味なさそうにしていたが、その本を横目で眺める。

「えーと」

 デンデは椅子に座り、その本を開いた。
 その本、それは正確に言うと辞書であった。地球語辞書。ミスターポポが宮殿の奥底から見つけて来たものだ。
 1週間前、セルに殺された人々をドラゴンボールで生き返らせるために悟飯達が宮殿に来た。その時に、皆が話していた「恋愛」という言葉にデンデは興味を持ったのだ。ミスターポポが地球語辞書なら意味が載っているかもしれないと、この1週間探してくれていたのだ。

「れ……。れ……ん…あ……い。あった!」

 デンデがその言葉を発見すると、ピッコロもなぜか身を乗り出して食い入るようにその項目を見つめる。

「えっと、『恋愛とは恋と愛からなる感情である。恋とは恋しいという感情であり、好きな人のことを考えると胸が高鳴ったり、会えないと寂しくなる感情である。』」

 そこまで読み切り、デンデの脳裏にふと悟飯の顔が浮かぶ。彼のことを考えると胸が確かに高鳴った。そして、会えなくなると寂しくなった。

「まさか……」

 デンデの心臓が早鐘を打ち始めた。

(そんな、まさか)

 動揺する小さな神様の横で、元神様、元大魔王は項目の続きに目を落とす。

(『そして愛とは、好きな人を守りたい、大切にしたいと言う感情である。恋愛とはこの二つの感情を合わせたもので、尊い感情である』)

 恋愛と言う項目を読み終わり、ピッコロは目を閉じる。脳裏に浮かぶのは、可愛い弟子の悟飯だ。

(恋愛とはこういう感情なのか。だったら、俺は恋愛をしてるということなのか)

「ピッコロさん!デンデ!」

 ふいに甘えた声が聞こえ、二人のナメック星人はぎょっとして声が聞こえた方向を見る。そこにいたのは、短い黒髪に、大きな瞳、愛らしい笑顔を浮かべる悟飯だった。

「悟、悟飯」
「悟飯さん!」

 二人のいつもと違う様子にいたいけな少年は首をかしげる。それがまた可愛らしくピッコロは眩暈を覚えた。

「どうしたんですか?ピッコロさん?デンデも」
「いや、なんでもない」
「なんでもないです」

 ナメック星人は、トコトコと歩いてくる悟飯に笑顔を向けながらそう答えた。

(これが恋愛感情……)

 勘違いなのか、合っているのか。

 その日二人は、少しぎこちない様子で悟飯と時間を過ごし、罪な少年はそんな二人の気持ちにまったく気がつかないまま、母親が待っているからと帰って行った。

 それから、悟飯に対する気持ち(?)に気が付いた二人の間に、微妙な空気が流れるようになったのは言うまでもない。


posted by ありま at 10:59| 魔師弟セル編直後ーブウ編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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