2010年07月20日

「迷い1」 カエルトコロ8.5 番外編

大量の砂が舞う中、男が一人忽然と立っていた。その周りにはいくつものクレータが出来ている。
男は息を吸うと宙に向かって飛び、周りのまだ破壊していない岩山に向かって気を放った。
岩山が音と立てて崩れる。

男は砕けた岩山が落ちる地面に降り立ち、落ちて来る岩石を次々に拳や脚で破壊していく。
 砂埃が男の姿を隠し、岩石の破壊される音だけが響く。

 数秒後、静かになった荒野に砂にまみれた男の姿が再び現れた。
 男は皮肉な笑みを浮かべるとその場を飛び立った。

(こんなトレーニングを続けても意味はないな)
 ベジータは滝壺で水浴びをしながら心の中で呟いた。
 冷たい水の感触がほてった体に心地いい。

 ベジータは訓練をした後はいつもこの滝壺に来ていた。戦闘服を脱ぎ去り、水の中に体を沈めると頭の中のいろんな思いが消えるようで、ベジータは好んでこの場所に来ていた。
(やはり宇宙に行くか、重力室でトレーニングするのが一番効率がいいか)

 ベジータがカプセルコーポーレーションから出て3か月が過ぎようとしていた。月日がたつにつれて、外でのトレーニングの限界を感じていた。
(いっそう、カカロットをぶちのめしにいくか)
 ベジータは自分のその考えに自虐な笑みを浮かべた。
(頭にくるが今の俺では奴には勝てない。超サイヤ人になれば、この俺のほうがエリートだから
勝つに決まっているのだが!くそったれめ。なぜ、この俺が超サイヤ人になれないんだ!)
 ベジータは水面に上がり、拳を握りしめ、水面を叩いた。
 水しぶきがあたりに飛び散る。

「うひゃ!」
 水際で変な声が聞こえた。
「誰だ!」
 ベジータは声のした方向へいつでも気を打てるように手のひらを向けた。
「う、打たないでよ」
 水際から現れたのはブルマだった。ベジータはその姿を確認し、手を降ろした。
(一番会いたくない奴がなぜここに?)

「貴様、なんでここにいる?」
 ベジータは不遜な態度でそう聞いた。するとブルマはベジータを一瞥した後、ふらりと水の中に倒れた。
「くそっ」
 ベジータは舌打ちすると水の中に沈もうとするその体を引き上げた。
「なに?!」
 驚いたことに水から引き揚げた体はブルマではなく、赤い髪の耳が妙に大きく長い子供だった。



posted by ありま at 18:00| DB 2次小説 人造人間編前A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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