2010年07月15日

帰ってきた男10 完「そして戦いへ‥」


「ねぇ、ベジータ」
 ブルマはベッドから半分体を起して、戦闘服のプロテクターを装着しようとしてるベジータに声をかけた。
「なんだ?」
ベジータは不機嫌そうな顔をブルマに向ける。
「今日、私も見に行こうかな。トランクスも連れて。あんたが戦ってる姿も見せたいし」
「勝手にしろ。だがな、お前らに構ってる暇はない。巻き添えになっても知らんからな。俺が助けると思ったら大間違いだ」
 ベジータは吐き捨てるようにそう言って、ブーツを履いた。
「死にたくなかったら来ないことだ」
 ベジータはそれだけ言うと窓から飛び去った。
 窓から見える空はかすかに藍色になっていた。

 カプセルコーポレーション邸宅 午前9時

「はい、あーん」
 ブルマがトランクスに離乳食をあげてると、チャイムの音が聞こえた。それは受付ロボットがゲートを開けた音だった。
 しばらくするとヤムチャとプーアルがキッチンに姿を見せた。
「ヤムチャ、プーアル、元気だった?」
「ああ元気さ。そういえばベジータがいないみたいだが、帰って来たのか?」
 ヤムチャがあたりを見渡してそう聞いた。
「昨日帰って来たわよ。でもすぐ出て行ったけど」
 ブルマは淡々とそう返事したが、その表情は晴れ晴れとしていた。ヤムチャはすこし寂しそうに微笑むと、トランクスに目を向けた。
「大きくなったな。トランクス」
 ヤムチャはそう言ってトランクスの頭をなでた。それを見ながらブルマはふとある考えが浮かんだ。
(ベジータは来るなって言ったけど。もしかしたらこれが最後になるかもしれないし。みんなにトランクスを見せたいし)
「ねぇ、ヤムチャ。これから人造人間が現れる島に行くんでしょ。私のジェットで一緒に行かない?」
「え?!」
 これから恐怖の戦いに行くというのに、軽い調子で聞くブルマにヤムチャがぎょっとした。
「島には孫くんも来るんでしょ。孫くん、めちゃめちゃ強いから大丈夫でしょ。危なくなったら早めに逃げるから。お願い!」
 ブルマの上目遣いのお願いポーズにヤムチャは断れず、うなずいた。
「じゃあ、支度するわね。ほらトランクス行きましょ。お披露目だからかわいい服を着ましょうね」
「え?!トランクスも連れていくのか?!」
「当ったり前よ〜」
 るんるん気分のブルマの後ろ姿を見ながらヤムチャはただうなだれるしかなかった。

 こうしてヤムチャはブルマとトランクスと共に島に向かうのだが、
 自分がまず一番最初に死にかけるとはこの時は予想すらしてなかった。








posted by ありま at 15:15| DB 2次小説 人造人間編前 前夜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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