2010年06月15日

永遠の片思い1

 重力室の大爆発からベジータはずっと眠りつづけてる。

 嫌な夢を見てるらしく、その寝顔は苦しそうだ。
 そして時折、カカロットと寝言をつぶやいている。

 ブルマは昨日からずっとベジータのそばにいた。
 ヤムチャは何も言わなかったが、そんな様子のブルマに不信感を抱いていたのは確かだった。

 ブルマ自身、自分の行動がよくわかっていなかった。
 ただ彼の側にいなければならない気がしていた。

 ベッドで眠りつづけるベジータは当然ながら静かだった。
 いつも感じる殺気のようなものは感じられない。ただ苦痛にゆがむ彼の表情が苦しそうで、ブルマは思わず彼の顔に触れた。するとその柔らかい手に温かみを感じたのか、ベジータの表情が幾分和らいだように見えた。

(また孫くんの夢でもみてるのだろうか……)

 ブルマはベジータの顔を見ながらそんなことを思う。

 (自分を超えた孫くん。それだけでもプライドは切り裂かれただろうに、もう一人の超サイヤ人が現れた。でもあの子、かっこよかったな。ちょっとベジータに似てたけど……)

 ブルマはふっと柔らかく微笑むと、もう一度ベジータの顔を撫でた。そしてその唇に自分の唇を重ねる。

(キスをしたって知ったらきっとベジータは私を殺すかもしれない……。プライド高い人だし。でも気づくわけがないわ)

 ふふっといたずらした気分でブルマは楽しそうに笑みを浮かべ、ベジータの部屋を出た。

 部屋の外ではヤムチャが待っていた。
「今何をしてた?」
 ヤムチャが少し怒った顔でブルマに問いただす。
 ブルマは悪びれる様子もなく、答えた。
「ちょっとイタズラしてみたわ。起きていたら、きっとできないイタズラよ」
 そう言ってブルマはふふっと笑う。
「な、何をしたんだ!?」
「ひ・み・つ」
 ブルマはそう言ってにんまり笑う。しかしその後すぐに何かを思い出したように怒った表情をした。
「そういえば、ヤムチャ!昨日どこ行ってたのよ!ベジータが大変だって時に……。また女のところに行ってたの!?」
「ベジータがって、勝手にやつが自爆しただけだろう。俺には関係ないよ」
 ヤムチャは後半のブルマのセリフに答えることなく、そう言い放つ。そのふてぶてしい態度にブルマはわなわなと震えながら叫んだ。
「服に香水ついてるわよ。3年後に人造人間が来るっていうのに、どうしてそういう暇があるのよ!まったく本当どうしようもないのね!」
 ブルマはぎろりとヤムチャを睨むとくるりと方向を変え、自分の部屋へ戻ろうとする。するとヤムチャはあわててブルマの腕を掴んだ。
「誤解だって!昨日はちょっとカメハウスまで行ってたんだ。俺も武天老師様に修行してもらおうと思って、そこにランチさんがいて……」
「ランチさんは天津飯を追っかけてカメハウスにいないって聞いてるわよ」
 ブルマは腰に手を当ててヤムチャをにらみつける。
「いやあ、昨日はたまたま帰ってたんだよ。それがさ」
「じゃあ、なんであんたの服にランチさんの香水がついてるわけ?なんかあったの?」
「あっ」
 ブルマの鋭い突っ込みでヤムチャはさらなる墓穴を掘り、二の次が告げなくなる。そんな情けない男の姿にブルマは溜息をつくと、大股歩きで自分の部屋に戻る。
「ヤムチャ様、下手な嘘より本当のこと言ったことがよかったのでは……」
 残された主人の様子をみて、それまで傍観してたプーアルは半ばあきれながらつぶやいた。




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posted by ありま at 13:43| Comment(0) | DB 2次小説 人造人間編前@ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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