2014年02月17日

飯P話『不可解な感情』更新

こんにちは。
いよいよ本格的に始動しました飯P。
ドラゴンボールZを最後まで、見てネタづくり。
ベジブル同様、アニメをベースに書きますよ!

アニメベースなのでかなりソフトな飯Pになりそうです。

それでも腐が苦手、ビーデルファンの方は避けてくださいな。


それでは。

ありま氷炎


posted by ありま at 16:21| Comment(0) | 魔師弟セル編直後ーブウ編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

不可解な感情 2 of 2

「もう限界です。ポポ。僕は悟飯さんに連絡してみます」
 ピッコロが籠り始めて5日後、デンデは決意をした。遠見の術を使い、悟飯を探す。自分が何かピッコロに言うよりも、愛弟子に連絡を取り直接話してもらったほうが得策だと考えたのだ。
「悟飯さん!」
 グレートサイヤマンの衣装になった彼が、楽しそうに空を飛んでいるのが見える。彼には珍しく他人の迷惑を顧みない飛び方だった。
「……お父さん、悟空さんが帰って来るのですね!」
 飛んでいる彼が叫んでいる言葉を聞き取り、デンデは彼の喜びの原因を理解する。
 気が高まり、こちらに向かって飛んでくるのがわかり、神様はほっと胸を撫で下ろし、神殿の奥に目を向けた。
  
 
 神殿の奥に籠るピッコロにも悟飯の気は感じられた。神殿にどんどん近付いていた。
 ピッコロの中の不可解の気持ちはまだ、消えてはいない。
 が、愛弟子を迎えないわけにはいかない。

 ピッコロは深く深呼吸すると、瞑想を解き、床に降り立つ。
 なぜか嬉しそうな悟飯の気は高まり、あと数分で神殿に到着する勢いだった。
「………」
 目を閉じ、きゅっと握りこぶしを作る。そうして、ピッコロは部屋を出て行った。


 建物の外に出ると、既に悟飯は到着していた。
「ピッコロさん!」
 デンデやポポと話していた彼は師匠の姿を見ると、駆けてきた。
 いつもよりも気が乱れ、何かあったようだと心配したが、喜びの感情が満ち溢れているのがわかり、安堵する。
「聞いてください!すごいニュースなんです!」
 愛弟子は興奮した様子で大げさに手を振る。その様子が可愛らしく、いつまでも変わらぬ無邪気さに微笑みそうになる自分にピッコロは気が付く。
 神と同化したとはいえ、微笑みというのは苦手だった。顔を引き締め、弟子の話を聞く。
「そうか、それは確かに面白そうだな」
 話を聞き終わり、ピッコロは唸る。天下一武道会、十数年前に、悟飯が生まれる前に参加したことがある大会だ。あの頃は悟空を殺すことしか考えていなかった。
 今のピッコロにそのような思いはまったくないが、力をある者を戦うことに楽しさを覚えるのは変わりない。
 1日だけ戻ってくる悟空。
 ベジータも参加すると聞いている。力の差が大きいことは知っているが、戦ってみたいと戦闘タイプの心がうずく。
「でしょ?」
 少年から青年に成長した愛弟子が師匠を見上げる。身長2メートル20センチを超すピッコロからしたら、まだ40センチ程低い彼。見下ろす悟飯は腕をバタバタと振り、まるで子犬が尻尾を振っているようだった。
「よし、出てみるか」
子犬のような弟子に一瞬気をとられた師匠だが、はっと我に返って頷く。
出るからには修行するつもりだった。余計なことに気を取られる暇もなくなるだろう。ピッコロはそう思い、最終的に出場を決めた。
「おお、がんばれ。ポポ、応援する」
 出場を決めた元神様、元主人に、神殿の守り主はエールを送る。
「デンデはどうする?」 
 お祭り気分なのか、悟飯は現神様にもそう尋ねた。
「いや、出ませんよ。僕は戦闘タイプのナメック星人じゃありませんから」
 優しい神様は彼の問いに笑って答える。
 ピッコロはデンデの返事が予想通りだったのに少し安堵して、改めて弟子の姿を確認する。気は変わらない。しかし、妙な違和感を覚えたのだ。
 そして気が付いた相違点。
「ところで悟飯、その可笑しな格好はなんだ?」
 愛弟子は可笑しな恰好をしていた。黒いアンダースーツに緑色の羽織。そして真っ赤なマント。黒いサングラスをかけ、頭には白いバンダナが巻かれている。
 全体的にバランスが悪く、下界の人間が通常着るような服装ではないと、判断する。
「え?嫌だな、ピッコロさんまで。これカッコいいと思いませんか?」
 しかし、悟飯は手を大きく開いて、どうして理解できないのかと首をひねる。
 愛弟子の事は信じている。が、見たこともない服装で、ピッコロは返答に困ってしまった。 
「お、俺にはわからん」
 逃げるようにそう答えるとポポも同様なことを言い、悟飯は不服そうに口を尖らせる。
「悟飯さん、お茶でも飲んでいきませんか?」
空気が固まったところでタイミングよくデンデがお茶に誘った。
「うん。ありがとう」
 それは成功したようで、彼がにっこり笑い、一同は安堵した。

 お茶菓子はミスターポポが用意した。ナメック星人である神殿の主人達は水しか取らないので食事を必要としない。だから、こうしてお客さんが訪れることはポポにとって料理を振る舞えるいい機会だった。
「おいしい!」
 用意されたお菓子は悟飯によって平らげられていく。
 ピッコロは久々に見る元気な弟子の様子に、心が穏やかになるのを感じていた。
 ここ5日、彼を悩ましていた不可解な感情は、こうして悟飯を一緒にいることで完全に消えていた。
 デンデはピッコロが元の状態に戻ったことに安堵し、できれば悟飯がいつまでもここに滞在することを望む。
「じゃ、僕戻ります」
 しかしそれは叶わぬ願いで、悟飯はデンデ達に挨拶をして、屋外に出る。
 見送るのはピッコロで悟飯の後ろ姿をゆっくりと歩いていった。
 神殿の縁まで歩き、不意に愛弟子が振り返る。
「ピッコロさん」
 師匠の名を呼んだ彼は、サングラスを外し、その澄み切った黒い瞳を真っ直ぐピッコロに向けていた。
「学校は楽しいです。グレートサイヤマンにもなっちゃたし、忙しいです。神殿にずっと来れなくてすみませんでした」
「……謝ることなどない」
 謝ることではなかった。
「あの、僕……。ピッコロさんが怒っているんじゃないかと思って心配だったんです。いつもみたいに連絡がなくて、それで僕もなかなか神殿に来れなかったので」
 弟子は眉間に皺をよせ、悲しげだった。
 そんな表情をさせてしまうので嫌で、ピッコロは口を開く。
「俺はお前の邪魔をしたくなかったんだ。学校という場所は色々大変だろう」
「大変です。でも、邪魔だなんて!僕にとって一番大事なのはピッコロさんなので」
 愛弟子は必死の形相で、大切な人を見上げる。
「僕は、ピッコロさんの声を聞くのが大好きなんです。だから、いつもみたいに話しかけてください。お願いします」
 悟飯のそれは懇願だった。息苦しいほどの熱量を帯びた視線をピッコロに向け、心を読もうともしていないのに、彼の気持ちが痛いほど伝わったきた。
「………わかった。連絡する」
 低くそう答えると弟子の顔がぱっと輝いた。
「よかった。本当に」
 太陽が西に傾きかけた天空は深い藍色で、その笑顔に影を落とす。弟子の笑顔がいつもよりも大人びて見え、ピッコロはどきりとする。
「明日から武道会に向けて修行しようと思ってます。もし修行に行き詰ったらここに来ます。いつも教えてもらいながら修行したので、感覚がつかめないかもしれないので」
 大人びた表情、空模様がそう見せているのか、彼自身がそのような表情を作っているのか、ピッコロに判断できなかった。
「ああ、わかった。いつでも来い」
 その表情に気を取られながらも、師匠らしく返事を返す。
「はい。そうします」
 愛弟子はしっかり頷くと、サングラスを掛けなおす。そして一度頭を下げると神殿から飛び立った。
 悟飯が神殿に立ち寄り、ピッコロから不可解な感情が消えた。しかし、新たに沸き起こった感情に、彼は困惑する。
 だが、1ヶ月後。天下一武道会に出場することを決めた今、悩んでいる場合ではなかった。
「………」 
 ピッコロは弟子が消えた空から、視線を神殿に戻す。そして息を小さく吐くと、明日からの修行に心を馳せようとした。
posted by ありま at 16:15| Comment(0) | 魔師弟セル編直後ーブウ編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

不可解な感情 1 of 2

「ピッコロ、様子、おかしい」
 元地球の神、元大魔王が神殿の一室に籠り始めて3日が経とうとしていた。ナメック星人唯一の栄養源である水は適度に取っているようだが、それ以外はずっと部屋に篭っている。
 彼の愛弟子が最後にこの神殿を訪れたのは、8日前だ。

「明日から学校行くんです。凄い楽しみです。学校帰りに寄りますから」
 悟飯はそう言い、踊るようなステップを踏んだ後、神殿を後にした。
 あれから、8日間音沙汰がない。ピッコロがその気になれば下界の様子を探るのは簡単だ。しかしそれをすることなく部屋に籠っている。
「僕が悪かったのでしょうか」
「ポポ、分からない」
 原因が不明な今、デンデは溜息をつくしかなかった。

  § § §

 籠り始めるの3日前、現地球の神様は元大魔王、元地球の神にあることを知らせた。
「ピッコロさん。悟飯さん、正義の味方になったみたいですよ」
 それまで定期的に悟飯の様子を神殿から見ていたピッコロだが、5日前ーー弟子が学校に通い始めてから、遠見の術を使うのをやめていた。疑問に思いながらも 、デンデは良かれと思い悟飯の様子を見て伝えることにしたのだ。
「グレートサイヤマンと言うそうです。サタンシティには多くの悪党がいるようで、毎日忙しそうです」
 優しい神様――デンデはそう言って微笑む。
 だから神殿に来られないのですよ――言葉には出さなかったが、同胞である彼には伝わっていたはずだ。しかし、ピッコロは表情を変えることもなく、頷くこともなかった。
「あ、そうそう。悟飯さんのクラスにあのミスターサタンの娘さんがいます。ビーデルさんと言って、お父さんのよりは強いようです。悟飯さんと競うように悪党退治をしています。一緒にいることも多いみたいで、悟飯さんは楽しそうですよ」
 ぴくっと、やっとピッコロに反応が現れる。それはいつもより険しい顔で、何やら不機嫌そうだ。
 何か悪いことを言ったかなと考えるが、デンデに思い当たる節はなかった。
「……調べ物がある」
 静かに、しかし誰にも口出しできないほどの気迫で、そう言うと彼は建物に入って行った。

 そう、それ以来、ピッコロは部屋に籠りっぱなしだ。
 「悟飯さん、なぜかわかりますか?」
 やろうと思えば心に直接問いかけることができる。しかし敢えてそうせずにデンデは独り言をつぶやいた。

 § § §

「……なんだ、この感情は」
 3日前、デンデから悟飯の話を聞いてからピッコロに不可解な感情が生まれていた。怒り、悲しみが混じりあったもので、言葉にはできない感情だった。
 悟飯が学校に通うことになり、ピッコロは彼の生活を邪魔することになると遠見の術を使うのをやめた。以前は3日と開けず悟飯の様子を探り、元気なのかと確認し、何かあれば彼の心に話しかけていた。
 学校に行く。
 彼は嬉しそうに語っていた。学校という場所はほぼ同年齢の者が集まる場所だ。邪魔はできない。そう思いピッコロはぐっと我慢していた。
 しかし、悟飯の様子は気になる。だからデンデから彼の近況を聞けたことは嬉しかった。
 だが、ビーデルという女性と楽しげにしていると聞き、感情が揺れた。
 ねっとりとした何かが、胸の中でうごめいているような感じがした。

 デンデにその気持ちを悟られたくないと、ピッコロは部屋に籠ることにしたのだ。また瞑想すれば、この不可解な感情を消しさることができる、そう考えていた。

 時間が刻々と過ぎて行くのをピッコロは知っていた。デンデからも気遣うような波動が伝わってきた。だが、部屋を出ることはできなかった。
 不可解な感情はまだ心の中に巣食い、ピッコロの感情を乱していた。
 瞑想してもそれが消えることはなく、彼を苛立たせていた。

「……悟飯」
 口にする愛弟子の名前。
 共に修行した日々は遠い昔のようだった。
 ピッコロは目を閉じて、その頃を思い出す。
 悟飯に修行をつけることになり、彼にとって最初、あの幼い存在は煩わしいものでしかなかった。しかし、共に過ごすにつれて気持ちに変化が訪れる。
 そしてピッコロは悟飯を庇い、命を落とした。
 その後、弱虫だった悟飯が師匠である彼を生き返らせるために、ナメック星にドラゴンボールを探しにいくことを知り、ピッコロの胸は熱くなった。
 悟飯と出会い、知りえた感情は多かった。それはネイル、神との同化を重ね、更に深まった。感情の意味を知ることとなり、悟飯への思いは強まったのだ。

 しかし、今抱える感情について、ピッコロは自分自身に説明ができなかった。
posted by ありま at 16:13| Comment(0) | 魔師弟セル編直後ーブウ編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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